バセドウ病

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バセドウ病

バセドウ病とはびまん性甲状腺腫(甲状腺全体が大きくなった状態)を伴った甲状腺機能亢進症であり、甲状腺に対する自己抗体である抗TSHレセプター抗体(TRAb)を認める自己免疫疾患(本来なら感染や病気から身体を守る免疫システムに異常が生じ、自身の身体の一部を攻撃してしまう病気)です。20〜40歳代の女性に多くみられ、男女比は1:3〜5と言われています。症状としては、びまん性甲状腺腫、眼球突出、頻脈(ときに心房細動と呼ばれる不整脈)、動悸、息切れ、全身倦怠感、体重減少、暑がり、食欲亢進、軟便、下痢、収縮期高血圧(拡張期血圧は低下)、手指のふるえ、発汗過多、皮膚湿潤、脱毛、不眠、いらいら、落ち着きがなくなる、筋力低下、月経異常(無月経、月経過少)、不妊などを認めます。
診断には血液検査と超音波検査が有用です。血液検査ではTSHの低下、FT3、FT4の上昇、抗TSHレセプター抗体陽性を認めます。また、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体、抗サイログロブリン抗体が陽性となることもあります。超音波検査では甲状腺の全体的な腫大を認め、カラードプラ法において豊富な血流シグナル(火焔状)を認めることが診断のポイントの一つとなります。バセドウ病は上記の症状および血液検査結果や超音波検査などの画像検査所見などによって診断されます。
治療としては抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)による内服治療が第一選択であり、重症例では無機ヨウ素薬を、頻脈にはβ遮断薬を併用することもあります。抗甲状腺薬による内服治療を2〜3ヶ月程度続けると甲状腺ホルモン値は基準値内まで低下してきますが、最初の2ヶ月間は無顆粒球症などの副作用が出やすい時期でもあり、2週間ごとの通院・血液検査が必要となります。内服治療は少なくとも2年程度は続ける必要があり、抗甲状腺薬を最小用量まで減量した上で甲状腺機能を正常に維持することができ、抗TSHレセプター抗体陽性の陰性化が確認された場合、抗甲状腺薬の中止を検討します。ただ、服薬を中止できたとしても、バセドウ病の再発率は30%以上と高く、中止後1年間は3ヶ月に1回程度の頻度で甲状腺機能に関する血液検査を受けられる必要があります。万が一再発した場合には抗甲状腺薬による再治療が必要であり、再発を繰り返す場合には手術やアイソトープ治療も検討されます。手術やアイソトープ治療が必要と判断される場合には、連携先の地域基幹病院をご紹介させていただきます。

 

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