橋本病(慢性甲状腺炎)

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橋本病(慢性甲状腺炎)

橋本病(慢性甲状腺炎)は自己免疫機序(本来なら感染や病気から身体を守る免疫システムに異常が生じ、自身の身体の一部を攻撃してしまうメカニズム)により甲状腺に慢性的な炎症が生じる病気であり、慢性炎症により甲状腺が徐々に破壊されると、甲状腺機能低下症をきたす場合があります。橋本病の約70〜80%では甲状腺機能は正常で、実際に甲状腺機能低下症を発症するのは橋本病の約20〜30%と言われています。橋本病は男女比1:20〜30と女性に多い病気です。30〜40歳代の女性に多くみられ、成人女性の10人に1人に認められる頻度の高い病気と言えます。
症状としては、ある程度進行すると、びまん性甲状腺腫(甲状腺全体が大きくなった状態)を認めるようになります。橋本病の甲状腺腫は比較的硬く、表面の凹凸が不整である傾向にあります。甲状腺機能低下症を呈するようになると、全身倦怠感、体重増加、むくみ、寒がり、食欲低下、便秘、徐脈(1分あたりの心拍数が60回未満の状態)、低血圧、発汗減少、皮膚乾燥、脱毛、傾眠、無気力、筋力低下、月経異常(無月経、月経過多)、不妊といった症状がみられるようになります。
診断には血液検査と超音波検査が有用です。血液検査ではTSHの上昇、FT3、FT4の低下を認めます。抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体、抗サイログロブリン抗体が陽性となります。超音波検査では甲状腺の辺縁不整や内部エコーの不均一や低下を認めます。橋本病は上記の症状および血液検査結果や超音波検査などの画像検査所見などによって診断されます。
治療としては、甲状腺機能が正常で甲状腺腫のみが認められる場合は定期的な血液検査で甲状腺機能低下症に至っていないかどうかを経過観察となります。甲状腺機能低下症を認める場合は甲状腺ホルモン(合成T4製剤)を投与します。尚、永続性の甲状腺機能低下症になると、合成T4製剤を適量継続する必要があります。また、甲状腺が急に大きくなった場合、甲状腺機能低下症の悪化の他、リンパ腫併発の可能性がありますので、早めにご受診ください。

 

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