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心電図検査
心臓は胸の真ん中あたりにある握り拳大の臓器で全身に血液を送り出すポンプの働きをしています。心臓は心筋とよばれる筋肉からできており、その筋肉にわずかな電気が流れて興奮し、それによって心臓に拍動がおこります。この心筋の電気的興奮を体表の電極で記録したものが心電図であり、この検査のことを心電図検査といいます。
心電図検査は両手足首に4つの電極を、胸部に6つの電極をつけることにより合計12種類の波形を計測することができる12誘導心電図検査として実施され、主に脈の乱れがないか(不整脈)、心筋に異常がないか(狭心症・心筋梗塞など)を調べるために行われます。
24時間ホルター心電図

ホルター心電図検査(24時間心電図検査)とは小型の携帯型心電計の電極を胸につけたまま日常生活を送り、24時間にわたっての心電図を連続記録する検査のことです。
通常の心電図検査(12誘導心電図検査)は数十秒、長くても数分間しか心電図を記録できないため、検査時に症状が出現していないと検査で異常を検出することはできませんが、ホルター心電図検査は長時間にわたって記録することができるため、日中の活動中や睡眠中などに症状が出現したタイミングでの心電図を正確に記録することができます。この検査により、自覚症状の原因解明、不整脈の診断や重症度の判定、抗不整脈薬の治療効果判定を行うことができます。
検査中は入浴以外、普段通りの生活が可能で、症状が出現した時刻を記録していただくことで診断の精度も高まります。ホルター心電図検査は不整脈や狭心症の早期発見、不整脈の治療効果判定に役立つ、身体への負担が少ない安全な検査です。
呼吸機能検査(肺機能検査)
呼吸機能検査(肺機能検査)とはスパイロメーターと呼ばれる機器を使用して、肺の容積や空気を出し入れする換気機能の強さを測定し、呼吸機能に異常がないか調べる検査のことです。
呼吸機能検査で測定する主な項目は%肺活量と1秒率です。%肺活量は実測肺活量の年齢や性別より算出された肺活量基準値に対する比率のことであり、基準値は80%以上です。一方、1秒率は努力性肺活量(胸いっぱいに息を吸い込み、一気に吐き出したときの空気の量)に対する1秒量(努力性肺活量のうちの最初の1秒間に吐き出された空気の量)の比率のことであり、基準値は70%以上です。
%肺活量が80%未満の場合は、間質性肺炎や肺線維症などの肺の容量が少なくなる拘束性換気障害が疑われます。それに対して、1秒率が70%未満の場合は、気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの空気の通り道が狭くなる閉塞性換気障害が疑われます。
簡易PSG検査(簡易型睡眠時無呼吸検査)

PSG検査(睡眠時無呼吸検査)は睡眠中の呼吸状態だけでなく脳波や眼球運動、心電図、酸素濃度、筋電図などを同時に記録する精密な検査であるため、検査入院が必要であり、検査のためにお休みを取る必要があります。一方、簡易PSG検査(簡易型睡眠時無呼吸検査)では睡眠中の呼吸状態、脈拍、酸素濃度のみを調べる簡易な検査であり、PSG検査のような睡眠の深さや質、無呼吸のタイプ、心臓への影響といった詳細な評価まではできませんが、ご自宅で実施することが可能なため、検査のためにお休みを取る必要がありません。簡易PSG検査は当院でも実施可能です。
睡眠中の強いいびきや日中の眠気、起床時の頭痛などの症状がある方は睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われます。簡易PSG検査はご自宅で実施することが可能なため、睡眠時無呼吸症候群のご心配がある方は、気軽に検査を受けることが可能です。簡易PSG検査において呼吸障害指数(RDI)または呼吸イベント指数(REI)が40以上であって日中の眠気などの自覚症状を伴う場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断され、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)や生活習慣の改善など、適切な治療方針を立てていきます。
超音波検査(エコー検査)

超音波検査(エコー検査)とは、生体に体表から超音波(周波数の高い音波)を照射し、組織などの境界面で反射されて戻ってくる反射波(エコー)を分析し、画像化する検査のことであり、体内の臓器や血流の状態をリアルタイムで観察することができます。検査で用いられる超音波は人体に対して無害であるため、放射線被曝などを伴わず、痛みもないため、身体への負担が少なく、安心して受けられる検査と言えます。
腹部(肝臓・胆のう・総胆管・膵臓・腎臓・副腎・膀胱・前立腺・子宮・卵巣など)、心臓、頸動脈、甲状腺、副甲状腺、頸部リンパ節、乳腺、腎動脈、下肢動静脈など、幅広い部位の診断に利用されます。がんや結石、心機能異常、動脈硬化、血流の異常などの発見に役立ちます。
また妊娠中の方や高齢者にも安全に使用できるため、定期健診や精密検査として幅広く活用されています。
検査時間は部位にもよりますが10〜30分程度で、腹部と腎動脈の超音波検査の場合、事前の絶食が必要となります。明らかな自覚症状がなくても定期健診や人間ドックで超音波検査を受けていただくことで、病気の早期発見・早期治療につながることもあります。